日本のベビーフードの魅力って?海外のベビーフードとの違い
日本ではここ数年、共働き世帯の増加によって、ベビーフードを利用する家庭が増えています。海外では、日本に比べてベビーフードの利用がさらに一般的で、品揃えも豊富な国が数多くあります。
この記事では、日本のベビーフードの特徴と魅力、海外のベビーフードの違いをご紹介します。
日本の食品安全基準の高さ
日本のベビーフードは、食品衛生法や食品安全基本法、表示基準などのさまざまな法律・基準のもと、製造されています。
とくにベビーフードは、赤ちゃんの成長に影響を与える可能性があるため、有害物質や食品添加物について厳しい規制基準が適用されているのです。
また、ベビーフードの製造・販売を行う国内の大手企業5社(和光堂・グリコ・キユーピー・ビーンスターク・ピジョン)が運営する日本ベビーフード協議会では、法的基準だけでなく、製品規格や品質基準、表示方法などの自主規格を策定することで、さらなる商品の安全性と安心感を追求しています。
これらの基準に基づいて製造されたベビーフードは、月齢の低い赤ちゃんにも安心して与えることができます。
素材本来の味を活かした製品づくり

日本のベビーフードは、「素材本来の味」を大切にして作られているのが特徴です。これは、日本独自の「だし」の文化が背景にあります。
昆布や鰹節からとれる「だし」は旨味成分が豊富なので、塩や砂糖を使わなくても食材本来の風味が引き立ちます。赤ちゃんの味覚を育てる上でも、とても大切です。
2013年に日本の「和食」がユネスコ無形文化遺産として認められたことで、その健康効果は世界的な評価を受けました。また、近年の和食ブームからもわかるように、「だし」を使ったメニューは、ヘルシー志向の親たちからの支持も受けているのです。
赤ちゃんを飽きさせない豊富なメニュー

海外のベビーフードは、ペースト状の果物や野菜が中心です。日本では、離乳食開始時期の5〜6ヵ月頃はおかゆや野菜ペーストなど限られた食事内容ですが、9ヵ月を越えるとグラタンや角煮、シチュー、中華丼など、大人が見ても美味しそう!と思うメニューが並びます。また、月齢によって食材の硬さも変化します。
赤ちゃんの栄養バランスだけでなく、さまざまな風味に触れることで、食事そのものを楽しめるようにもなるでしょう。
日本「らしさ」が見える細やかさと利便性の追求
日本のベビーフードの特徴として、月齢の細かな分類と小分けパッケージが挙げられます。
日本では5〜6か月、7〜8か月、9〜11か月、12か月以上といったように、成長段階に合わせて細かく分類されるのが一般的です。一方、海外では月齢ではなく、stage1,2,3など大まかに分類される商品が多いです。
また、海外のベビーフードは瓶入りや大容量のパウチなどが主流である一方、日本では外出時に持ち歩きやすいように一食分の主食と主菜がセットになっているものや、一回分にちょうどいい量に小分けにされている商品が多く見られます。こういった消費者のことを考えた利便性の追求は、日本ならではと言えます。
日本のベビーフードを海外の家庭へ届けるための課題と秘めた可能性

日本のベビーフードを世界に広げるうえで、いくつかの課題があります。
- 各国の食品規制への対応:国ごとに異なる食品輸入の安全基準や規制への対応が求められる
- 食文化の違い:日本ならではの食材や味付けを現地の家庭で受け入れてもらうための工夫が必要
国によっては、すべての肉製品を規制対象としている国もあるなど、届けられる商品は限られています。また、日本では魚を使った料理は一般的ですが、国によっては魚自体を普段からあまり口にしない食文化もあります。
和風の味付けになじみがない家庭では受け入れてもらいにくいなど、海外に日本のベビーフードを広めるためには、さまざまなハードルが存在しています。
一方で、日本の食文化は世界で高く評価されているため、ベビーフードについても、その安全性や優れた栄養バランスが認知されれば、世界中の家庭に受け入れられる可能性を秘めています。
まとめ
海外でも日本と同じく、共働き世帯の増加やそれによる世帯収入の増加によって、ベビーフードの需要も今後さらに伸びると予想されます。
日本のベビーフードは、安全性や美味しさだけでなく、赤ちゃんの健康的な成長をサポートするための工夫や、ベビーフードを与える親の使いやすさにも寄り添うなど、日本「らしさ」が大きな魅力です。
いくつかの課題をクリアすることで、今後世界中の多くの家庭に日本のベビーフードが取り入れられるようになるでしょう。